宮崎駿映画における境界の世界と「水」の役割
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概要
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『風の谷のナウシカ』、『もののけ姫』、『千と千尋の神隠し』といった宮崎駿の映画において、「水」は世界を浄化し、生物を静かに受容し、記憶の揺籃となる存在である。近作『崖の上のポニョ』においても水は重要な役割を担っているが、この作品は海辺と海底をめぐる物語であるため水の力はより強大で、その恵み深い側面よりむしろ暴力的な変容をもたらす力が描かれる。また、海辺という海と陸の境界の場は、異なる時空、人間の日常世界と魔法にみちた世界、現実と幻想の境界にあるダイナミックな物語を成立させている。 『崖の上のポニョ』は現代の日本を舞台にしており、自然災害の描写にも迫真性があるが、作品世界内の出来事として受容し、自然の意味を再考することは可能であろう。
- 2011-12-29
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