ココア投与中断に伴って生じた長期経腸栄養高齢入所者の貧血に対するココア再投与の有効性
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概要
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87歳女性、要介護5、日常生活自立度C2・IV、診断名は、多発性脳梗塞による右片麻痺、嚥下障害、失語症、両大腿骨骨折後で空腸瘻造設者。この入所者に対し、バンホーテンピュアココア(商品名)を既報のココア補充療法(40〜45 g/日)よりも低用量である1日毎食5 g投与し(15 g/日)、血液生化学データを追跡調査し、ココア投与前と投与後で比較分析を行った。その結果、ココア投与前後を比較したところ、ココア投与前は赤血球数440万/μl、ヘモグロビン値14.1 g/dl、ヘマトクリット値41.7%であったが、ココア投与4 ヵ月後では、赤血球数454万/μl、ヘモグロビン値14 g/dl、ヘマトクリット値40.1%であり、減少は認めなかった。しかし、2度目の肺炎発症にて入院となり、入院中にココア補充療法が1 ヵ月間中止となる。肺炎治癒後、再入所時のヘモグロビン値は10.5 g/dl まで低下認め、前回と同様のココア補充療法再開により、開始4 ヵ月後には、ヘモグロビン値が14.1 g/dl まで改善がみられた。長期の空腸瘻による経腸栄養高齢者の貧血に対し、既報よりも低用量の15 g/日のココア補充療法でも貧血の改善がみられた。
著者
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石橋 実
佐賀社会保険介護老人保健施設サンビューさが
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馬場 才悟
佐賀社会保険介護老人保健施設サンビューさが
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久木原 博子
純真学園大学保健医療学部看護学科
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諸隈 豊子
佐賀社会保険介護老人保健施設サンビューさが
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檀上 晶子
佐賀社会保険介護老人保健施設サンビューさが
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