自己組織化単分子膜を用いた銅とはんだのフラックスレス接合の研究(<特集>高密度実装を牽引する材料技術とヘテロインテグレーション論文)
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概要
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自己組織化単分子膜(Self Assembled Monolayer, SAM)を用いて銅表面を保護することで,フラックスレスではんだと銅の良好なぬれ性が得られた.1-ヘキサンチオール分子によるSAM膜を形成した銅は,2日間の大気中放置後も,はんだの接触角は40°であるのに対し,SAM膜を形成していないサンプルでは,30分の大気中放置で50゜と高くなった.これらの接触角より,銅板の表面エネルギーを計算したところ,SAM膜を形成することで,0.38J/m^2から0.44J/m^2に増加したことが分かった.Auger Electron Spectroscopy (AES)により,SAM膜を形成したサンプルは,大気中放置による銅表面の酸化が抑えられていることが確認された.また,SAM膜を形成した銅と水の接触角から,150〜200℃の加熱により接触角の低下が見られ,SAM膜が分解することが分かった.一方,250〜290℃の加熱では,銅表面に直径1μm程度のS原子とC原子を含んだ粒子の発生が観測された.更にシミュレーションを用いて,銅先鋭バンプとはんだバンプの接合形状のシミュレーションを行った.SAM膜を形成したサンプルは,先鋭バンプの側壁にはんだがぬれ上がることで,先鋭バンプ周囲の空いたスペース部分にはんだが収まり,より垂直に近い断面形状をしていることが分かった.また,銅先鋭バンプの表面にSAM膜を形成し,バンプ表面の酸化が抑えられることを確認した.
- 2012-11-01
著者
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浅野 種正
九州大学システム情報科学研究院
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仇 立靖
九州大学システム情報科学研究院・情報エレクトロニクス部門
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池田 晃裕
九州大学システム情報科学研究院・情報エレクトロニクス部門
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浅野 種正
九州大学システム情報科学研究院・情報エレクトロニクス部門
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仲原 清顕
九州大学システム情報科学研究院・情報エレクトロニクス部門
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