トリアージ研修における学習の効果と1年後の知識保持について
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概要
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佐賀大学では、2006年より東京DMAT(Disaster Medical Assistance Teams)の講師を招き、医療関係者を対象にDMAT研修をモデルにした災害医療研修を行っている。2009年に実施された研修に参加した医療関係者119名を対象に、研修1年後に研修内容をどの程度記憶しているのかについて自記式質問紙による調査を実施。各教育項目の知識の残存を、研修前・研修後・1年後の追跡調査で、Kruskal-Wallis検定を行った結果、「トリアージの目的」「トリアージタッグの使用方法」の全ての項目において有意差が見られたため、Scheffeの多重比較を行い解析した。研修前と研修後の比較では研修直後にはトリアージが「3枚複写であること」や「簡易カルテとして活用されること」はよく理解出来ていた(**:p<0.01)。また、研修1年後にも有意に知識が残存していた。(**:p<0.01)。トリアージタッグを記入する一連の動作を繰り返したり、実際の災害場面を想定できるようなリアリティある研修は、イマジネーションを刺激することにつながり、深い学びや知識の定着につながった。今回の研修から、繰り返し実施する研修の効果が、知識の保持に重要であることが示唆された。
- 2012-10-10
著者
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新地 浩一
佐賀大学医学部国際保健看護学分野
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坂本 章子
九州大学病院
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秋永 和之
佐賀大学大学院医学系研究科
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秋永 和之
佐賀大学大学院医学系研究科博士課程総合支援医科学
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梅崎 節子
佐賀大学医学部・国際保健看護学分野
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高橋 優
熊本県厚生農業協同組合連合会
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松永 妃都美
佐賀大学医学部・国際保健看護学分野
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新地 浩一
佐賀大学医学部・国際保健看護学分野
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