初年次教育におけるロジカルライティング指導の試み
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概要
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筆者は、本学総合政策学部における初年次教育の一環として、ロジカルライティングの考え方をベースに「文章表現法」の授業を担当している。本稿は、このロジカルライティング指導の意義と今後の課題について、学生が期末に提出した最終レポート、最終回に実施された理解度診断クイズの結果、授業改善アンケートへの回答という3種類のアウトプットをデータとして検討したものである。分析の結果、学生たちは、状況、原因、対策などの基本的な構成、フレームワークの利用などを学ぶとともに、参考資料の情報を整理した上で自分の意見を述べる基本的なレポート作成法を身に着けており、ロジカルライティング指導には内容、表現の両面で一定の成果が認められた。しかしながら、これらの両面については、さらに詳細な情報整理、日本語の基礎力強化、要約を支える確かな読解力の育成などのより大きな課題も残されている。また、授業運営については、グループ学習が十分に機能していないという問題点がある。学生が自ら興味をもって学べるよう、問題解決のみならず個々に応じた問題発見を促し、執筆を強く長く動機づけること、そのための教育内容・方法の開発、環境構築が来学期以降の課題である。
- 2011-12-01
著者
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