島根県におけるスギ暗色枝枯病の被害発生事例
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概要
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スギ暗色枝枯病によって樹幹に生じた永年生がんしゅの被害を島根県では初めて発見した。被害は羽須美村の17年生のスギ造林地で発生した。発病率は山腹斜面の中部と下部では約25%に達したが,上部では3%に留まった。患部は枝打痕を中心におもに垂直方向に筋状に拡大した。患部では形成層が壊死して肥大成長が停止し,周囲にカルスが巻き込んだ。患部を中心に変色した木部から病原菌Guignardia cryptomeriaeを分離した。陥没した患部は地際から地上4mに及び,また木部の変色は地上6mに達した。患部での肥大成長は1994年に著しく不良で,1995年には停止した。したがって,発病は1994年の秋期から1995年に生じたと推定する。被害が激発した場所は傾斜度35°と急峻で石礫を含んだ。また,1994年7〜8月は干ばつであった。樹幹の水ストレスを起こすこれらの環境条件が本病の発生誘因になったと考える。
- 応用森林学会の論文
- 1999-03-25
著者
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