20年を経過したスギ精英樹クローンの樹幹特性について(II) : 樹幹解析によって得られたクローンの材質特性
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概要
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20年を経過した鳥取県産スギ精英樹29クローンについて,1クローン当たり3個体の標準木を選出し,樹幹解析により材質特性を調べた。調査の対象とした形質は心材率,真円率,偏心度,晩材率,樹皮厚率,樹幹形状比,完満度の7形質とした。その結果,29クローンの平均は心材率53%,真円率96%,偏心度87%,晩材率22%,樹皮厚率3.3%,形状比66であった。また,完満度では,良好以上に区分されるクローンの割合は27%であった。このうち,心材率は肥大成長が旺盛なクローンほど高くなる傾向(r=0.4156)を示し,逆に,晩材率は成長が旺盛なクローンほど低下した。さらに,心材率,晩材率,樹皮厚率,樹幹形状比ではクローン間に有意な違いが認められ,遺伝的な変異が確認された。そして,これらの特性値を用いて数量化III類を適用し,スギ精英樹29クローンの総合的な特徴づけと分類を試みた。
- 応用森林学会の論文
- 1997-03-25