日本人と日本語学習者による二文接続の比較 : 逆接の接続助詞を中心に
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概要
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問題点や効果的指導方法を探る目的で、(1)日本人と日本語学習者に4組の「逆接」関係にある二つの文を一文に接続してもらい比較検討する調査と、(2)日本語学習者に対し、逆接の接続助詞のうち日常会話で使用頻度の高い接続助詞ノニ、テモ、ケレド(モ)およびテモのより口語的表現であるとされているタッテについて日頃留意している点を書いてもらうという2つの調査を行った。その結果、最も多く使用されたのは接続助詞ケレド、ノニ、テモ、ガであり、ケレドの使い方は両者に差はないが、テモの使い方は日本人より学習者の方が抜きんでて多いこと、ノニのもつニュアンスを理解している学習者は多いが、ノニは文末に意志表現をとれないことに言及した者はいない、タッテを知らない学習者が多いことなどが判明した。比較的早い時期に、応用範囲の広い無難な語だけを使用することが定着する前に、ニュアンス、文末などに応じて表現を使い分ける指導に切り換えることを提案する。
- 1994-09-27