晩春から初秋の知床半島沿岸域における植物プランクトン現存量と生産力 : オホーツク海側と根室海峡側との比較(シンポジウム:北海道オホーツク海沿岸域と道東汽水湖群の海洋構造と生物生産過程)
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概要
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2007〜2009年の5〜6月(晩春〜初夏)と8〜9月(晩夏〜初秋)の知床半島周辺沿岸域において,サイズ分画したクロロフィルaと基礎生産力の測定を行った.晩春〜初夏において,半島のオホーツク海側(西側)では大型(>10μm)の植物プランクトンの占める割合が最も高かったが,根室海峡側(東側)では小型(<2μm)の占める割合が最も高かった.しかしながら,単位クロロフィルaあたりの基礎生産力(植物プランクトンの成長速度の指標)は西側では大型,東側では大型か中型(2-10μm)が最も高く,重要な基礎生産者であることが示唆された.一方,晩夏〜初秋では,西側では大型が多く,東側では大型か小型が多かった.ところが,単位クロロフィルaあたりの基礎生産力は両側ともに中型が最も高く,重要な基礎生産者であることが示唆された.現存量の組成で見ると東西で重要な基礎生産者のサイズは異なるものとみなされるが,実際には重要な基礎生産者は半島の東西で異ならず,季節によって異なる可能性が示された.
- 2011-08-31
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