不登校生徒を抱える母親への援助 -第三者の視点に立ち、わが子の心を理解することへのアプローチ
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概要
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本論文は筆者が中学校の心理臨床活動の中でかかわった事例の紹介を通して、学校臨床心理士(SC)が不登校生徒を抱える母親に、第三者の視点に立ち、わが子の心を理解するという方向へ働きかけるアプローチが有効であることを論じる。本論文を通して、(1)子どもの発達の特性に着目し、子どもの本来持っている潜在的な可能性を生かすことが子育て支援の基本的な視点であることを不登校生徒への支援という側面から論述する。(2)不登校生徒の母親は、自分の子どもが早く学校にいけるように切実に願うあまり、心労が大きいため、その結果として、落ち着いた気持ちで子どもの置かれている状況、子どものニーズ、子どもの能力などを冷静に静観し、自分が子どもに必要とされる時だけ、丁寧に応じるというようなかかわり方をすることが大変難しい。だが、このようなかかわり方は不登校生徒への支援活動として大変必要とされるし、子どもの心の成長にとって大変望ましいことである。このことを学校臨床心理士(SC)、教師、保護者に伝えていきたい。本論文の中で主に取り扱うキーワードは子どもの主体性の尊重、第三者の視点、図表面接法、母親との協働である。論文の内容は、「問題意識」(ここではなぜこのテーマを取り扱うか、テーマの内容について述べる)、「図表面接法」(筆者が実践しているアプローチ、図表面接法を紹介する)、「事例検討」(筆者が本論文で取り上げられたアプローチを用いた実際の事例、S 君の母親への支援事例を紹介し、事例全体に対する考察を行う)、「総合的考察」(保護者のコンサルテーションにおける図表面接法の有用性を述べる)という4つの部分から構成される。
- 2010-03-25
著者
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