逐次参加型<i>m</i>票先取投票方式の分析
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概要
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本研究では逐次参加型m票先取の投票方式の性質を調べる.投票は優れた意見集約法の1つであるが,状況により適した投票方式は異なる.本稿では,投票結果に対する責務などの点で投票参加に費用を要すると仮定する.このとき,強制参加のように全員に投票を強いる方式は,大きな費用が発生する.一方,ランダム意思決定では費用を削減できるが,意思決定の品質に疑問が生じる.つまり,集合的意思決定の品質向上と投票に要する費用削減をどう両立させるか,という課題が存在する.この課題を検討するため,本稿では逐次参加型m票先取の投票方式に着目する.これと類似した投票方式は人気投票などで用いられているが,その性質はまだ十分に議論されておらず,より広範な応用への妨げとなっていると考えられる.そこで,本稿では,可決票数mの設定法や,他の投票方式と比較しての有効性などを明らかにする.本研究の貢献は,(1)投票参加に費用を要する場合の逐次参加型投票モデルの構築,(2)動的計画法を用いた最適投票戦略導出法の考案,(3)可決票数mや投票期間などの設計パラメータの影響の分析,(4)意思決定の品質向上と投票費用削減の両立という点で,逐次参加型m票先取投票方式が有効となる状況の解明である.
- 2012-11-15
著者
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