センサ・ネットワーク用超音波位置センシング方式の基礎研究(第2報)
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概要
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移動通信の進歩に伴って,最近提案されたセンサ・ネットワークと言われる新概念がある.非常に多数のセンサ(センサ・ノード)を配置し,各センサからの出力信号を主に移動通信と同様の手段により構築したネットワークを介して集約し,それ等のデータに基づき,家庭やオフィスの住環境の制御,ビルや市街単位での環境モニタ,大規模な地域単位での自然環境状態の観察や保護などを行うものである。センサ・ネットワークは,21 世紀における携帯電話に匹敵するインパクトの大きい新概念であり,産業的にも大きく成長するといわれている。我々は,センサ・ネットワークをベースに病院や要介護者住宅のモニターを超音波を用いて行う研究を進めている。病室における患者のモニターや独居老人の住状況のモニター等は今後益々重要になる。現在は主に,1:起床時前後での家電器具の電源のON/OFFをモニターするなど極めて間接的な検知方法,2: CCDカメラ等により病人や住人の動きを監視する極めて直接的な手法が採用されている。前者は精度的な面で課題が多く,後者はプライバシーの面で用途は限定される.本研究は,これ等の課題に解決を与えるもので,ON/OFFモニターに比べ精度は極めて高く,CCDカメラに比べるとヒト等の動きは検知するが人物像は示さない.手段は先に開発した新しい高精度な超音波距離計測法を応用するものである。反射物体を介した超音波送受信トランスデューサ間の距離をインパルス応答を導出することで正確に求める。時間が若干異なる上記の2インパルス応答間の差を求めることで静止物体の影響を消去し,人物等の動きのみを抽出するものである。最終的には,具体的な住環境を想定し,天井に複数の超音波トランスデューサを設置する。得られたデータを基に信号処理等により物体の動き検知の可能性を追求する。
- 2012-10-30
著者
-
疋田 光孝
Professor of Faculty of Global Engineering
-
飛田 夏希
Junior of Major of Mechanical Engineering course
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飛田 夏希
工学院大学
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飛田 夏希
Senior Of Major Of Mechanical Engineering Course
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