社会政策における「東アジア的な道」 : 日本・韓国・中国の国民皆保険体制の比較
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概要
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過去半世紀の間,日本をはじめ東アジア諸国・地域は目覚ましい経済成長を遂げてきた。その経験は経済発展における「東アジア的な道」(East Asian Path)とも称しうるものであった。一方,社会政策においてはどうだろうか。本稿は,日本,韓国と中国の医療保険を事例に,歴史的発展経路として社会政策においても「東アジア的な道」が存在すること,社会保険優先,(適用範囲の)普遍主義指向,大きな地域保険国庫補助・負担への依存を主な特徴とする東アジア的な社会政策は東アジア特有の圧縮的キャッチアップ型近代化の帰結であることを主張する。また,東アジア諸国・地域の劇的な社会転換期における社会政策のメイン・テーマは,単なる経済成長の促進ではなく,「発展における均衡」の問題であることも明らかにする。
- 社会政策学会の論文
- 2011-10-20