微生物分解型尿素系縮合ポリマーによる根圏微生物相の改善
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概要
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微生物による尿素系縮合ポリマー(以下,尿素ポリマー)の窒素源としての利用性を30種の保存菌株を用いて調査した。その結果,PGPRおよび拮抗細菌5株と大腸菌3株のいずれもが尿素ポリマーを窒素源として利用し,土壌細菌および土壌伝染性病原細菌では9株中4株が利用した。放線菌は供試した6株とも利用せず,土壌伝染性病原糸状菌は7株中1株しか利用しなかった。尿素ポリマー施用が根圏微生物数に及ぼす影響を調べた結果,(1)施用25ヶ月後の芝(クリーピングベントグラス)根圏土壌では,耐熱性胞子形成細菌,蛍光性シュードモナス,放線菌,糸状菌の各菌数は,対照区土壌の61倍,10倍,4倍,2倍であった,(2)施用75日後のメロン根圏土壌及び根面では,耐熱性胞子形成細菌,蛍光性シュードモナスの菌数が,対照区と比較して多かった。この傾向は,根圏土壌よりも根面で著しかった。ELISA法により,尿素ポリマー施用のメロン根圏土壌ではP. cepaciaが増加していることが示唆された。以上,尿素ポリマーは,炭素源の豊富な根圏環境において拮抗微生物の窒素源となる事により根圏微生物相を改善する可能性のあることが示唆された。
- 日本土壌微生物学会の論文
- 1998-03-01
著者
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