土壌病害防除のための圃場カルテ・産地診断システムの利用と開発の現状(野菜・花きの土壌病害をめぐって)
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概要
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「圃場カルテシステム」は個々の患者ごとにカルテをつくり,治療するという医学の考え方を圃場管理に応用したものである。本システムは土壌病害の発生に関連する情報を管理するデータベースとともに,これを用いた発生予測モデルおよび合理的な防除技術策定モデルから構成されており,圃場ごとに防除の処方箋が提示される。これは長野県小諸市北大井地区のハクサイ根こぶ病を対象に開発され,1987年から現地に導入され,この地域の根こぶ病の発生は漸減傾向にある。さらに,大規模産地で持続的に野菜生産を維持していくためには,土壌病害の広域的なモニタリングと環境と調和のとれた防除体系の確立が必要である。そこで,現在は群馬県嬬恋村のキャベツ根こぶ病を対象に広域的な「産地診断システム」の開発を行っている。本システムでは衛星データの活用による根こぶ病の発生の広域的なモニタリングや発生要因の摘出による発生危険地帯の推定地図の作成を試みている。さらに根こぶ病菌の再生産,発芽,生存等の生活史の一部を組み込んだ長期発生予測モデルを開発して,根こぶ病の発生推移に及ぼす作付・防除体系の影響をシミュレーションし,それに基づいた長期的な評価を行おうとしている。
- 1992-03-01
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