地水園の鉄・硫黄細菌(いま話題の土壌微生物)

概要

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酸性硫酸塩土壌,酸性河川水,地すべり地の鉄・硫黄細菌を調査した。本邦では,下層部のパイライトが土木工事で大気に露出する地点に,酸性硫酸塩土壌が広範に分布しているのが認められる。新潟県入広瀬村で,径1-5cmの熱水性パイライトの結晶が露頭下の岩床部で見出され,多数の鉄細菌が酸性土壌で計測された。土壌に添加されたパイライトの細粉の酸化は10日間で完了し,硫酸の増加に伴ってpHは3.8から2.5に低下した。鉄細菌は10^4から10^8に増加し,硫黄細菌の増加数は鉄細菌よりやや少なかった。玉川の上流部はAl^<3+>, Fe^<3+>, SO^<2->_4, Cl^-,等のカチオンとアニオンにより強酸性を示す。酸性の水中の鉄・硫黄細菌は中性の下流では減少・消失し,一定数の有機栄養性細菌の存在が見られた。2価鉄とチオ硫酸を酸化する細菌活性が酸性と中性を示す地すべり地帯で確認された。鉄細菌を調べる新しい希釈頻度法は採用できる方法である。チオ硫酸培地も硫黄細菌計数に有用であろう。
1987-11-20