草地土壌における微生物の生育環境
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概要
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草地における有機物の蓄積と分布,土層の分化,および静菌作用の面から,微生物の生育環境について理解を深めようとした。放牧草地の一次生産の配分量を調査した例によれば,地上部現存量約200-400g/m^2のうち立枯れ部は30-50%を占め,地表リターは40-60g/m^2,地下部現存量は400-600g/m^2である。土層内では表層3cm前後までの間に集中的に分布する。土壌中の有機物残渣も畑地より著しく多い。また長年にわたる草地の利用で,表層から約5cm以下の土壌は極端に緊密化して嫌気的な土壌環境が作られ,微生物群の生育が乏しい。一方,分別した有機物残渣を土壌ブロック中で培養し微生物の増殖を検討した結果から,自然土壌における微生物の生育は静菌作用の影響を強く受けるものとみられた。
- 日本土壌微生物学会の論文
- 1982-12-15
著者
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