授業における感情経験が教師の自律的な専門的発達に及ぼす影響 : 異なる授業目標を掲げる高校教師の認知評価様式に着目して
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概要
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本研究は,授業中の感情経験が教師の自律的発達に及ぼす影響を検討するため,異なる授業目標を掲げる高校教師2名に面接調査を実施した。授業の特定状況に対する認知評価様式から両者の感情経験を比較した結果,生徒の学習意欲喚起を授業目標に掲げる教師は教師-生徒間対話成立可能性で状況評価し,生徒の消極的授業参加行動の生起原因を生徒に帰属していらだちや退屈を経験する傾向が示された。一方,生徒間の学び合う関係形成を授業目標に掲げる教師は生徒間対話成立可能性で状況評価し,生徒の消極的授業参加行動の生起原因を自己に帰属して苦しみや困惑を経験する傾向が示された。ただし,教師2名は生徒の行為から生起する快感情,授業方略の失敗から生起する自己意識感情により実践の省察を行っていたことから,教師はそれぞれ個別の学級生徒の学習と成長に責任を負う自律性を維持しながら,感情経験を手がかりにして専門的発達を遂げると示唆された。
- 2011-03-31
著者
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