二人のミュッセ
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概要
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本稿の目的は,オットー・ランク(Otto Rank)やジョルジュ・プーレ(Georges Poulet)の著作をとおして,ミュッセにおける「二重性のテーマ」の内実を明らかにすることである.そして,実はまたバシュラール(Gaston Bachelard)から強力なヒントを受けることになる.さて,本稿のタイトル自体,ミュッセの中編小説『二人の愛人』(Les Deux Maitresses(1837))から拝借したものであるが,彼の「二重性のテーマ」となったら,やはり一番には絶唱と言われる『十二月の夜』(La Nuit de Decembre(1835))に繰り返し登場する,語り手の"spectre"(「亡霊」)が思い浮かぶ.他に韻文劇『杯と唇』(La Coupe et les Levres(1832))が示唆に富む手掛かりを与えてくれそうである.
著者
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