ミュッセとボードレールとドールヴィイ
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿の要旨は,ミュッセ(Alfred de Musset (1810-1857))を,様々なダンディズム論から見つめ直し,また特に彼の代表作でもあり,フランス・ロマン派の演劇の最高傑作とも言われる,『ロレンザッチオ』(Lorenzaccio (1833))をダンディズム論の立場から,解釈しなおそうとすることである。初めに,一番参照した書物を挙げておくと,それはジョン・プレヴォーの『フランスにおけるダンディズム(1817年から1839年まで)』(John C. Prevost :《Le Dandysme en France (1817-1839)》)である。さて,1830年に,『スペインとイタリアの物語』(Les Contes d'Espagne et d'ltalie)を引っ提げて弱冠19歳で文壇にデビューしたミュッセのこの処女作は,発表当時から,はやくも「文学によるダンディズムの標榜」という評価を評論家たちから受けていたようである。この時期は,イギリスから「伝播した」というべきダンディズムが,フランスで大きな勢いを持ち始めていた時でもあった。とりあえず「幻想時評」(la Revue fantastique, le 14 fevrier 1831)において,ミュッセが直接「イギリスのダンディ」について論評しているのであるが,それを瞥見してみよう。彼はダンディに関してけっこう批判的な態度をとっている。
- 高岡法科大学の論文
- 2001-03-15
著者
関連論文
- ミュッセにおける理想的夫婦群像とその崩壊
- 富山県立文学館創立への展望
- 名作フランス映画 : 『巴里の空の下セーヌは流れる』『死刑台のエレベーター』編
- 名作フランス映画 : 『勝手にしやがれ』『太陽がいっぱい』篇
- ミュッセとロマン派におけるエディプス・コンプレックス
- ミュッセとロマン派におけるエディプス・コンプレックス
- ミュッセと"幻滅"の世代
- ミュッセと"幻滅"の世代
- ミュッセにおける "透明性" の問題
- ミュッセにおける"透明性"の問題
- ミュッセにおける "色" の研究
- ミュッセにおける"色"の研究
- ミュッセと"白鳥の歌"
- ミュッセと"白鳥の歌"
- ミュッセとボードレールとドールヴィイ
- ミュッセとボードレールとドールヴィイ
- ミュッセとピラネージ幻想
- ミュッセとある象徴の意味
- ミュッセにおける饒舌と寡黙 : cousin/cousineをめぐって
- 二人のミュッセ
- ミュッセ、ユーゴーからのヴェルヌへ
- ミュッセとエディプス・コンプレックス
- ミュッセの『ガミアーニ』をめぐって
- ミュッセと"炎"
- ミュッセと両性具有の神(ヘルマフロディトス)