地域住民は温泉に何を求めているか : 温泉施設利用者への意識調査
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概要
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温泉が健康増進に有用であることは知られており,厚生労働省でも活用を推進している。短期間での健康教育や単回の温泉利用に関する効果の報告は集積しているが,温泉施設を有する地域に住む人々の日常的な温泉利用の現状を明らかにする必要がある。20歳以上の男女を対象に一温泉施設でアンケート調査を実施した。対象者(N=261)の自覚症状と温泉利用の目的については,年齢を重ねるごとに加齢に伴う身体症状が増え,「気分転換」「健康増進」「人との交流」だけではなく「病気やけがの治療」のために温泉が利用された。人々は何らかの症状を<治療・回復>させ,気分転換や体調を気づかうような<健康の維持・増進>をきっかけとして温泉を訪れた。家族・友人等との<人との交流>,食事処や施設までの道程も含めた温泉に付随する<行為>自体を楽しむことも重視され,各自の良い<タイミング>で温泉を訪れていた。入浴後は症状緩和だけではなく「体が温まる」感じや「食欲増進」「気持ちよさ」「よく眠れる」ような,個人の具体的な良い体験が述べられた。つまり,動くこと,眠ること,食べること等の当り前に行っていることをより充実させ,気持ちよい生活につなげていた。温泉を有する地域に住む人々にとっての温泉の利用は,健康な生活を自ら管理するためのセルフケア行動といえる。
- 2011-04-30
著者
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