メタボリックシンドロームと動脈硬化の関連性への喫煙の影響
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概要
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動脈硬化を脈波伝播速度を用いて評価することで,心血管疾患の罹患率および死亡率が予測できることが報告されている.メタボリックシンドロームと喫煙は,それぞれ心血管疾患のリスクを高めることも知られている.今回の研究目的は,メタボリックシンドロームと動脈硬化の関連性への喫煙の影響を評価することである.これまでに高神大学病院の健康診断において,上腕・足首脈波伝播速度(baPWV)を測定した男性(1,530名)を対象にレトロスペクティブに調査した.PWVと正の相関を認めた変数は:年齢(r=0.391, P<0.0001),収縮期血圧(r=0.438, P<0.0001),拡張期血圧(r=0.377, P<0.0001),LDLコレステロール(r=0.068, P=0.008)とHDLコレステロール(r=0.027, P=0.287)であった.BMIとPWVの関係は,有意ではなかったが,負の相関を認めた(r=-0.026, P=0.309).現在喫煙者では,PWVはBMIが増加するにつれて低下し(1,387.9から1,311.6),HDLコレステロールが増加するにつれて上昇した(1,342.7から1,385.4).一方,非喫煙者では,PWVはBMIが増加するにつれて上昇し(1,382.3から1,458.8),HDLコレステロールが増加するにつれて低下した(1,391.2から1,369.7).PWVは,BMI,HDLと逆の関連性が見られ,これらの差は喫煙の影響によると考えられる.
- 2012-06-01
著者
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ウィルソン ドナルド
産業医科大学産業生態科学研究所職業性中毒学教室
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ウィルソン ドナルド
産業医科大学産業生態科学研究所職業性中毒学
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パク ヨーハン
高神大学医学部内科学
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キム ブ
高神大学医学部内科学
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チョイ ヨウン
高神大学医学部内科学
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パク ユンキー
高神大学医学部医療人文科学・社会医学