重いクォーク物理の進展 : QCDと量子力学系ポテンシャルの対応
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概要
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重いクォークの物理に関して精密な実験データが精力的な研究により蓄積されている.既知のクォーコニウムに加えて,従来のクォーコニウムの描像では説明が困難なエキゾチックな粒子が次々と発見されるなど,最近の重いクォークの物理の進展はめざましい.現象論的方法やクォーク模型に基づく分類など,様々な手法による研究が盛んに行われている中で,重いクォークの物理を量子色力学(QCD)に基づいて系統的に理解することは,ハドロン物理において重要な課題である.本稿では,QCDに基づいたクォーコニウムの研究のうち,QCDの有効場の理論であるポテンシャル非相対論的QCDの導出と,それに含まれる相対論的補正項を含む重いクォーク間ポテンシャルの格子QCD数値シミュレーションを用いた非摂動論的な決定について,最近の成果を含めて解説する.
- 2012-05-05
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