他動揺動運動刺激の変化による脳内血行動態への影響
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概要
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現在,日本で急激に進んでいる少子高齢化社会において,全人口における高齢者の占める割合が多くなり元気な高齢者の増加が必要になってくる.高齢者が元気に日常生活を送るには,身体機能の向上に加え脳による認知機能の向上が不可欠である.いくつかの先行研究では,比較的運動強度の高い有酸素運動には加齢に伴う認知機能低下に対する抑制効果があることが示唆されている.また最近では,騎乗型の他動揺動運動鍛錬機においても脳活性効果と認知課題の学習促進が検討されており,有酸素運動などより低負荷で効果のある運動が行うことができ高齢者にも実施しやすいため注目を集めている.本研究では新たな他動揺動鍛錬機を用意しその揺動のスピードをコントロールする時の脳内血行動態の影響を検討した.脳内血行動態変化の計測にはf-NIRSを用い,解析対象箇所として前頭葉の前方の前頭連合野と中心溝付近にある運動野を選んだ.健康な大学生10名による実験の結果,前頭連合野では運動開始と同時にoxy-Hb濃度変化が減少し後半にかけ回復する傾向が見られた.運動野では揺動のスピードが速くなるとoxy-Hb濃度が増加し,揺動のスピードが遅くなると減少する傾向が見られた.揺動のスピードをコントロールすることで運動野ではoxy-Hb濃度をコントロールすることが可能であると示唆された.
- 2012-04-25
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