運動および睡眠状態の心拍変動の特徴を持つ音刺激の生理的影響
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概要
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音楽聴取における生理的・心理的影響の研究はこれまで様々に行われてきた.ストレスフル社会において音楽等の外部刺激によって短時間でのリラックス・リフレッシュの実現は有意義である.先行研究において心拍鼓動のリズムを有する音を傾聴すると生理的に影響を受けることが示されている.本研究では音刺激のリズムと心拍のリズムの同調によって,異なる生理状態への誘導に効果があるか調べた.実験で使用した音刺激の間隔は生体信号に由来しており,エルゴメータをこいでいるときの心拍に基づいた活性刺激と,軽睡眠時の心拍に基づいた休息刺激の2種類である.この音間隔は実際の心拍変動と同様に不規則で緩急ある周期を持つ刺激である.また各被験者の平均RR間隔を基準に,活性刺激は音間隔が次第に短く変化し,休息刺激は長く変化する.各刺激と組み合わせる音は3種類である.解析は心電図の計測データから被験者が音を傾聴している区間のRR間隔を求め,HFを算出した.心理評価にはRAS(Roken Arousal Scale)を用いた.その結果,休息刺激においてHFが上昇する傾向がみられ,時系列データからも部分的に刺激と被験者の変動が同じような変化を示す被験者もおり,生体信号由来の刺激が心拍変動の変化を引き起こす可能性があることが示された.
- 2011-04-25
著者
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