「境界」概念のこれまでとこれから
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概要
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本論文では,今日まで議論されてきたさまざまな境界について,特に精神分析的な概念の発展と,精神病理と創造性との関係,日本にみられる独自の有り様について概観した。そして,境界的側面が個人の心理にどのように関連しているのか,さらに臨床現場では境界をどのように扱ったらよいのかについて論考した。境界概念は多分に文化に影響されるものであり,今後は日本における境界概念を独自に展開していくことが必要である。そのためには,これまでの欧米の理論を当てはめたものではなく,事例研究などの臨床知見からボトムアップ式に積み重ねていく研究法を考案することが課題として挙げられる。
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