奈良県川上村における森林管理の現状と山守制度の課題 : 山林所有者へのアンケート調査を中心に
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概要
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吉野林業地域はその歴史的発展過程において山守制度という特有の経営形態を発達させてきた。しかし,当地域においても木材価格は低迷を続け,山林所有者,山守ともに厳しい経営環境にさらされており,山守制度の存続は危機的状況にある。しかしながら,人工林率が67%に達する対象地においては,今後も人工林の管理の継続は不可避である。そこで,本研究は山林所有と管理の現状および管理方法に関する所有者の意識を明らかにし,山守制度の今日的課題を示すことを目的とした。その結果,現状では約4分の3の所有者が山守を利用して山林管理を行なっているものの,将来の管理方法としては森林組合を希望する所有者が29%に達した。所有者が山守による管理の継続を躊躇する理由として,素材生産活動の停滞による山守の収入機会の減少により,山守の高齢化、兼業化,後継者の不在,またそれらに伴う山林管理能力の低下等が進行していることが指摘された。
- 森林計画学会の論文
- 2004-09-30
著者
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