公益型林場における森林認証に関する一考察 : 北京八達嶺林場を事例として
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概要
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本研究は,中国の森林管理水準を高める目的で採用された森林認証制度導入推進政策の下において,初めて森林認証を取得した公益型林場を事例に取り,認証の実態を把握し,到達点と克服すべき問題点を把握することを目的としている。北京八達嶺公益型国有林場を調査対象に選び,収集した内部資料及び関係者への聞き取り調査,アンケート調査により把握した諸資料を分析した。その結果以下の3点が明らかになった。(1)八達嶺公益型林場における森林認証においては,必要な諸経費を国が負担し指摘事項を改善し,森林管理関連部門と林場の協働体制を構築し,公益的諸機能のより一層の発揮に向けての森林管理の枠組みが構築された。(2)認証後の効果として,林場の管理レベルが向上し,より公益的諸機能が発揮でき,林場の知名度上昇やイメージアップにも繋がっている。(3)しかし,林場職員の認証に対する意識が低く,審査費用が高く,審査基準において林場の現状とそぐわない部分も存在している。今後においては,林場職員の教育・意識改革が必要となっているほか,森林認証が中国で定着化していくための諸条件を満たすために,認証費用の軽減や一般国民への啓発活動などの地道な努力が必要となっている。
- 2012-03-01
著者
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