心房細動診療のアップ・トゥ・デート
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概要
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心房細動は臨床現場で遭遇する持続性不整脈のうちで最も頻度が高く,社会の高齢化とともに有病率が高まっている。心原性塞栓性脳梗塞を合併する危険がある。このタイプの脳梗塞の生命予後は不良であり,救命出来てもしばしば重篤な後遺症を残す。心原性塞栓性脳梗塞の予防は極めて重要である。心房細動に対する治療に先立って,ワルファリンあるいはダビガトラン投与による心原性塞栓性脳梗塞予防の適応を検討しなければならないことが多い。心房細動そのものに対する治療として,心房細動を洞調律に復帰させ洞調律を維持する治療(リズムコントロール)よりも,心房細動時の心拍数を適正に調節する治療(レートコントロール)を優先して考えるべき,との考え方が広まってきている。高血圧,糖尿病など,心房細動の基礎疾患・背景因子の評価と,これらに対する対処の重要性も十分に認識しなければならない。
- 2012-03-17