「はい,でも」ゲームに対し鍼灸治療の心理療法的側面を利用して治療を行った線維筋痛症の症例
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概要
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10年間,線維筋痛症の治療を受けてきたが著明な改善がなく,週に12時間のパートタイム勤務しかできない患者の鍼治療を開始したところ,全身の痛覚過敏のため,ごく軽微な刺激に対しても著明な疼痛顕示行動がみられ,治療が困難であった.治療者と患者の間に,交流分析でいうところの「はい,でも」ゲームが展開していると考えられたため,患者を指圧して圧痛点などを探すという鍼灸治療に特異的な治療構造を生かしたところ,ゲームから脱却でき,併発する全身倦怠感などに対する治療が可能となった.その結果,圧痛が軽減し週に23時間の勤務が可能となった.疼痛顕示行動を呈する慢性疼痛の治療において鍼灸が非常に有効であると考えられたので報告する.
- 2012-04-01
著者
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