関西地方における製材用国産材需要の将来推計
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概要
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地方財政が厳しさを増す中で、人工林の維持・管理への助成は次第に削減される可能性がある。今後とも一定水準の国産材を供給し、住宅用に適した良質材を供給できるようにある程度は人工林を手入れし続ける必要がある。製材用国産材(丸太)の需要は、既存の研究で2020年までの試算があるので、実績に出ている2001〜2005年の推計結果と比較し、手法の妥当性を検証する。同様の手法を全国と関西地方に援用した上で、2025年までの世帯数の推移予測をもとに5年ごとの製材用国産材の需要量をモデルで推計し、必要な施策を講じる基礎資料を提供する。推計と実績を比べると、新設戸数、床面積とも差はごくわずかで、シナリオごとに設定した前提の上下幅の範囲内に実績は収まっていたが、予想より床面積が小さかったために、製材用国産材の需要量は推計を下回った。全国と関西で3つのシナリオで製材用国産材の需要量を算出したところ、2025年には2005年の約3分の2に減少するとの推計結果が得られた。今後の課題としては、住宅用木材の統計整備、需要予測のデータを活用する仕組みづくり、需要に見合った製材用国産材の供給体制の構築を提示した。
- 2010-04-30
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