中世西日本における使用升の容積と標準升
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論文では前稿における畿内に引き続き,中世西日本における使用升の容積と事実上の標準升を明らかにしようとするものである。升の容積は,農業生産力,土地制度,交易条件などを明らかにするための基本であるが,その重要性は十分に理解されているとはいえない。事実上の標準升を明らかにすることにより,市場の統合過程をよりよく理解することができるであろう。15世紀,西日本のうち西部地域では讃岐斗が標準升であり,東部地域では売升が市場升として使われていたが,同時に畿内本斗も標準的に使われていた。畿内本斗は讃岐斗とほとんど同じ容積であったので,西日本及び畿内において事実上の標準升が存在した。16世紀,売升は隣接地域に拡大し,標準升となったが,16世紀末になると西日本及び畿内では畿内本斗または讃岐斗が再び標準升となった。これは政治的統合に起因して市場統合がなされたことによるものと考えられる。
- 2011-02-25
著者
関連論文
- コンテコンツが形成するライフスタイル調査研究
- コンテコンツが形成するライフスタイル調査研究
- 阪神地域の復興と防災都市計画 (復旧から復興へ) -- (力強い復興に向けて)
- 地盤を考慮した都市計画 : 仙台市におけるマイクロゾーニングの試み : 都市計画
- 座談会 北東公庫の地域プロジェクト起業化支援業務を振り返って (特集 北東公庫と地域開発)
- 国土政策・地域政策
- オフィス立地と分散政策に関する研究(都市計画)
- 最近のオフィス立地の動向 (新ビジネスゾ-ンの計画)
- 都市の情報化をどう進めるか? (都市と情報化)
- 未来都市の構図 (21世紀未来都市)
- 本社の立地におけるコミュニケ-ション・コストの影響に関する研究--米国と日本との比較 (昭和62年度〔日本都市計画学会〕学術研究論文集)
- 都市における震災時の焼死者率の算定方式について (昭和55年度日本都市計画学会学術研究発表会論文集-15-)
- 市街地集合の変動理論 (昭和54年度日本都市計画学会学術研究発表会論文集-14-)
- 密集市街地における空間形成に関する規範意識とその規定要因・その 2
- 密集市街地における空間形成に関する規範意識とその規定要因・その 1
- 3 空間計画方法論における空間発展論の位置(都市計画)
- 市街地の構造機能分析 (昭和53年度日本都市計画学会学術研究発表会論文集)
- 関東大震災とその教訓
- 中世西日本における使用升の容積と標準升
- 中世東日本における使用升の容積と標準升
- 中世畿内における使用升の容積と標準升
- 再び来るオフィス不足時代とその対応 (特集 ポストバブル期の都市・住宅開発の課題)