脂質代謝の変化からみたカロリー制限による抗老化・寿命延長作用のメカニズム(摂食障害の新たな展開,2011年,第52回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(横浜))
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概要
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カロリー制限(caloric restriction:CR)は,老化過程を抑制,加齢に伴う疾患の発生を遅延し,平均および最大寿命を延長する唯一の簡便な再現性の高い方法として,老化研究に広く応用されている.しかし,そのメカニズムはいまだ解明されていない.一般にCRは,成長を抑制し,身体を小さく保ち,脂肪組織量を減少させ,高血糖および高インスリン血症を抑制,炎症を抑制,低体温で,脂質やエネルギー代謝を修飾し,内因性および外因性ストレスに対する抵抗性を増強,ミトコンドリア・バイオジェネーシスを亢進,サーチュインを活性化することが知られている.われわれは,CR動物では,食餌不足に対する適応反応として脂肪組織のリモデリングを介して脂質を効率的に利用していること,このような代謝の変化に脂肪酸合成関連遺伝子群発現の主要転写因子であるsterol regulatory element binding protein 1c(SREBP1c)が重要である可能性を示した.SREBP1cを介したde novo脂肪酸合成系の活性化がCRの主要なメカニズムの1つと考えられる.
- 2012-03-01
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