The Contribution of Lexical Processing Ability to Efficient Functioning of Working Memory in Japanese EEL Learners
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概要
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人が文字を見て理解するまでの過程には、文字認知・音韻符号化・単語の意味理解・統語処理(低次処理)・意味処理・文脈処理・スキーマ処理(高次処理)といった様々な処理過程が含まれる。それぞれの処理はワーキングメモリ(WM)上で行われ、各処理段階でWMが消費されると考えられている。そのWM容量には厳しい容量制限があるため、低次での言語処理をいかに効率よく行い、高次処理段階にWM資源を分配できるかが、言語理解の鍵になる。特に、言語処理が自動化していない日本人英語学習者にとっては、WMの効率性が言語理解に果たす役割はL1よりも大きいと考えられる。本研究の目的は、低次処理である語彙処理に焦点を当て、語彙知識量と語彙処理の効率性がWMの運用効率に果たす役割について検討することにある。本実験では30人の日本人英語学習者を対象に、語彙知識量を測るVocabulary Size Test (VST) (Nation & Begler, 2007)と語彙処理能力を測るために開発された語彙処理テスト(CELPテスト) (Kadota, 2010)、WM容量を測定するためのリーディングスパンテスト(RST) (Nakanishi, 2005)を行い、各テスト成績間における相関関係を調査した。その結果、ある一定量の語彙知識を持った学習者においては、語彙処理能力とWM容量の間に相関傾向がみられたが、一定量以下の語彙知識を持つ学習者においては、語彙知識量とWM容量の間に有意な相関がみられた。
- 2011-12-30
著者
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