「連携」の困難性について(2)
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概要
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連携の困難性を、専門職であっても心(感情)をもった一個の人間であるという視点から検討した。連携という相互関係を通して、専門職個人にはさまざまな感情ー援助対象者をめぐって、連携相手・機関に対して、自身の専門性に対して等ーが去来する。そうした個人の感情は連携を阻害する要因になりうることを複数の先行研究や筆者の授業実践報告は示している。中でも本人が気づきにくい(意識されない)感情の問題をどう乗り越えるのかについて、精神分析の逆転移の概念を援用し論じた。すなわち、自身の内面でなく自身の外側で生じた「できごと」を観察・記録し、他者と話し合うといった地道な作業が自己理解につながると考えられた。