「連携」の困難性について(1)
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概要
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子どもを巡る問題の複雑・多様化に伴い、専門・関係機関との連携に対するニーズは高まっているが円滑に進んでいない実態がある。その改善に向け本稿では実務レベルの問題として「連携の困難性」に注目し、以下3点について検討した。(1)虐待の通告も連携の第一歩である。通告によって必ずしも保護者との関係が壊れるとはいえない。保護者の利益になるという視点で誠実に対応することが求められる。(2)集団守秘の遵守は、連携の存続と維持の鍵となる。情報共有の意図と目的を明確にする、集団守秘に対する意識は組織・個人によって異なることを前提に話し合う等が必要。(3)異なる専門職の間で生じる「"ことば"の通じなさ」の背景には文化の違いがあるかもしれない。考え方や手法がさまざまであるからこそ、専門が異なる関係機関が連携する意味がある。