居宅介護支援における介護支援専門員の現状と課題-施設への入所支援を中心に-
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概要
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居宅介護支援事業所に所属する介護支援専門員の業務は居宅サービスの調整においてはほぼ均一化されているといって過言ではない。しかし、居宅介護支援の運営基準では曖昧に表現されている施設への入所支援は、個々の介護支援専門員によってその解釈はまちまちである。多くの入所待機者を抱える特別養護老人ホームの入所では、入所待機者の入所の必要性に応じた入所優先順位を決定している。その入所優先順位を決定するための情報の多くを介護支援専門員が持っているにも関わらず、そうした情報提供は居宅介護支援の運営基準上曖昧な表現であるため、確実に実施されているとは言い難い状況にある。こうした状況は入所待機者にとって不利益な状況であり、権利擁護の視点からは利用者の最善の利益の追求の実現として、「代弁」していくことが求められる。本論ではこうした役割が介護支援専門員に課せられた課題であるとした論点に立脚し、介護支援専門員に求められる専門性を相談援助や権利擁護を中心に検討した。
- 2012-03-31