教育相談における福祉的援助手法の視点
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概要
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本研究は、児童生徒の学校生活における様々な生活課題を背景とした問題について、教育を保障する観点から学校教育における対応についての手法を試考しようとするものである。本論では、特別ニーズ教育でいわゆる発達障害等の個の抱える課題はもちろんのこと家庭的問題、社会的問題といった環境的な生活課題を背景とした教育的ニーズを持った生徒へのアプローチとしての教育相談について、本人と本人を取り巻く環境との交互作用に着目し援助をすすめる福祉的援助手法に着目し、教育相談への応用を志向する点に特徴がある。 特に、不登校や児童虐待など今日の教育現場の対応すべき課題は多いが、こうした不適応行動を環境的な生活課題を背景とした問題として捉え、その背景にある環境的要因としての家庭環境に着目し、学校や家庭、地域社会といったメゾ・マクロレベルでの援助の展開の必要性を検討した。そして、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど外部の専門職と教員の援助の重なり合う部分に、個人と環境をみる視点を特徴とした福祉的援助手法の必要性を明らかにした。
- 2011-03-31