日本における生存権保障と公的責任
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概要
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朝日訴訟一審の浅沼判決で確認された,生存権保障原則は革新自治体で実現がめざされるが,最高裁では国の財政事情に基づく広範な裁量権をみとめ,生存権保障の公的責任をあいまいにした.介護保険制度では社会連帯と自己責任理念に基づいて公的責任を解除する仕組みがつくられ,障害者自立支援法にも援用された.しかし,障害者自立支援法違憲訴訟は,この問題を鋭く衝いて,民主党政権と和解合意に持ち込み,公的責任の確立を求めた.グローバル経済の下では,生存権保障の確立は,国際的なルールの確立と連動させて国の責任を追及する必要がある.この観点からすれば総合福祉法の制定は,障害者の権利条約に基づく国内法の整備という性格を持たせることが重要である.
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