在宅高齢者におけるフットケアの効果の継続性 : ケア終了6 ヶ月後の追跡調査から
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概要
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本研究の目的は、フットケア介入の終了直後および6 ヶ月後の足部の変化を明らかにし、フットケアの継続の必要性を検討することである。研究対象は6 週間のフットケア介入が終了し、かつ6 ヵ月後に追跡調査できた高齢者6 人とし、フットケア介入終了直後と6 ヵ月後に基本的属性、足部の形態・機能、立位・歩行機能を調査した。そして、2 つの時期における足部の形態・機能や立位・歩行機能を対象内比較およびWilcoxon の符号付順位検定により比較した。その結果、循環機能に関連する足部の変調や足底部の角質化は再び出現していた。また、ケアによって改善していた足底部の触圧覚はほとんどの測定部位で閾値の上昇がみられた。循環機能のうち、末梢血流量は両足ともに有意な血流減少がみられた。また、足底部の皮膚表面温度は左側が有意に低下し、右側は低下する傾向がみられた。立位バランス機能の指標である開眼片足立ちの保持時間は有意に短縮し、FRT のStart-End Point も有意に短縮した。歩行機能の指標である10m 最大速歩行は有意に遅くなり、TUG では有意差はなかったものの実行速度が遅くなっていた。さらに、下肢筋力を反映する足趾間把持力は、左右とも有意に低下していた。以上の結果から、フットケアで一旦改善された足部も6 ヶ月間のケアの中断により可逆的に変化することが明らかとなり、短いスパンあるいは定期的、継続的なケアの必要性が示唆された。
- 2011-12-28
著者
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孫田 千恵
日本赤十字九州国際看護大学
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小野 ミツ
広島大学大学院保健学研究科
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姫野 稔子
日本赤十字九州国際看護大学
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小野 ミツ
九州大学大学院医学研究院
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太田 陽子
元日本赤十字九州国際看護大学
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孫田 千恵
九州大学
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小野 ミツ
九州大学医学研究院保健学部門
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