「心の綺麗」考 -西鶴『諸艶大鑑』から-
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概要
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井原西鶴の『諸艶大鑑』の一節「心の綺麗なる事ばかりあらはし」を手掛かりとして、その手法の考察を論じる。この一節の持つ意味を詳しく解き明かすことにより、西鶴の作品作りの鍵となる部分が明確となると思われる。その鍵となる部分の考察には、遊女の「実」「誠」「粋」の持つ趣きを、丁寧に掬いあげることが解明の鍵となるであろう。西鶴は、遊女の世界を借り、遊女の次元から遊女の事を描いてはいるが、実は普段の人間一般に相通じる「綺麗なる心」の普遍性を描き切る、という西鶴の構想および自負と情熱が、執筆方針の出発点であったことを中心に論を進めていきたい。
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