相撲の文化史にみる「伝統」と「近代」 -武道の教材研究の試み-
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は、日本の「伝統」を教えるための「相撲の教材研究」のひとつの試みである。江戸時代後半から衰退し始め、近代日本においてその存続を危ぶまれた相撲は、「国内に向けたナショナリズム」と「国外に向けての倫理主義」を前面に押し出すことで、近代日本の「国技」として存続し発展してきた。その際、近代相撲にはじめて現れた「天覧試合」「国技館」「品位・礼節」などは、「創られた伝統」として「内に向けたナショナリズム」と「外に向けての倫理主義」を象徴するものだったのである。つまり、相撲における「品位・礼節」は、近代になって発明された「伝統」に過ぎず、それを教える意義は、少なくとも、「伝統」の教育としてではない。では、学校体育で教えるべき相撲の「伝統」とは如何なるものか。「身体」に焦点化しながら考察する。
著者
関連論文
- PISA型「読解力」のためのバスケットボール教材の検討 -「ゲームの心電図」と「パスの相関図」を中心に-
- 制野俊弘の体育の授業実践に関する考察-運動文化論の実践プログラムを超えて-
- 相撲の文化史にみる「伝統」と「近代」 -武道の教材研究の試み-