造血器腫瘍患者の感染対処の継続に関するセルフ・エフィカシーの分析 : 化学療法による骨髄機能低下期に焦点をあてて-
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概要
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本研究の目的は,感染対処のための治療の継続に関するセルフ・エフィカシーを明らかにすることである.初回を除く化学療法後の急性白血病患者7名に,隔離前と隔離期間中に,主に半構成的面接を行った.質的帰納的分析の結果,セルフ・エフィカシーの内容は,【生きていける】【どんな時も気持ちを安定させることができる】【頑張れる】【自分に関することは自分で決めて行える】【感染対処の工夫をしていける】【ゆとりを持って自分なりに生活を楽しめる】を含んだ.これらのサブカテゴリーとして,例えば【生きていける】では,《病気や治療に関して確かな情報を掌中に収めることができる》《活力を維持できる》《拠り所となる支えを得ることができる》の3つが含まれ,【どんな時も気持ちを安定させることができる】には,《データの見通しが立てられる》《予期せぬ現象の原因を追究できる》《医療者と気持ちの交流ができる》の3つが含まれた.患者の【生きていける】過程を認識しながら,病状に関する適切な情報と見通しの提供,精神的支援などがセルフ・エフィカシーの向上に繋がると考えた.