初期大乗仏教の日本における論理的展開
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概要
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西田幾多郎は、初期大乗仏教の「空」の論理を基礎に、「場所的論理」あるいは「場所的弁証法」と呼ばれる独自の論理を打ち立て、それによってヘーゲル弁証法における「拡大する自己」の問題を超えようとした。西田と、「空」の哲学を基礎づけたナーガールジュナは、ともに、「慈悲」を超越者の自己否定ととらえたが、ナーガールジュナが「空」を説いた目的は、人々を業の苦しみから救うことにあった。いっぽう、西田は絶対無からいかに歴史的世界が生じるかを論じるとともに、そこから宗教的意識が生じる世界の構造を明らかにしたのである。
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