意味から人間関係へ : 立体的なボランティア理解に向けて(<特集>ボランティアの未来)
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概要
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現在までのボランティアの説明・理解は、補完性、先駆性、即時対応性といった、社会的な意味からのものが中心であった。それらの背景には、ボランタリズムという概念があり、近代社会の理想とする市民自身による社会の実現という方向性が、これらの理解の中心にあった。自発性、無償性、公共性といった意味も、このボランタリズムから出てきているといっていいであろう。しかしながら、ボランティアについては、こうした意味中心の理解だけでなく、具体的な現場における人間関係として理解することもできるのではないだろうか。ひとりひとりの参加者は、活動自体の目的や理念を理解しつつも、実際に活動をはじめてみると、単にそれを具体化しているというよりも、相手との関係を築き継続しているのである。この実践の場は、当事者たちにとっては、社会的な意味の場というよりも、具体的に何らかの活動が行なわれている場なのである。今後のボランティア理解において、意味からの理解だけでなく、人間関係としての理解が深められることが必要であろう。それは、ボランティアを、他の人間関係との比較において考えるということであり、立体的に理解することにもなるであろう。
- 国際ボランティア学会の論文
- 2001-10-31
著者
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