青年期にある女性の喫煙行動と首尾一貫感覚(SOC)の関連性に関する研究

概要

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本研究は,女性への有効な禁煙支援プログラムの開発に先立ち,青年期にある女子大学生の喫煙行動の実態はストレス対処能力を評価する指標である首尾一貫感覚(Sense of coherence:SOC)との関連性を検討し,今後の禁煙支援のあり方の示唆を得る目的で行った。SOCは健康生成論の中核概念で,幼少期から成人初期にかけて,家庭環境,成功体験などの影響を受け,発達・形成していき,それが高いほど,ストレス対処能力や健康維持能力が高いとされている。某女子大学の1,178名の学生を対象に,質問紙調査を実施したところ喫煙率は9.3%であった。喫煙学生と比較し,非喫煙学生のほうがSOCは有意に高く,喫煙への心理的依存度とニコチン依存度の高い喫煙学生は,そうでない喫煙学生と比べ,SOCが有意に低かった。ニコチン依存度の高い喫煙学生はSOCが低く,喫煙動機尺度の第1因子「不快な感情の除去」,第2因子「高揚・刺激」,第4因子「快楽・リラックス」の得点が有意に高く,喫煙行動には心理的依存が強い傾向が示された。本研究では,女子大学生の喫煙行動とSOCの関連性が検証され,今後,学生個人のSOCを考慮し,SOCを強化する禁煙・再煙支援プログラムの必要が示唆された。