アトラクタ摂動モデルを応用したエンド間遅延の安定化を図る送信レート制御手法の提案と評価(IPv6ネットワーク,フォトニックネットワーク,新世代・次世代ネットワーク及び一般)

概要

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インターネットは,複数の利用者が資源を共有,競合するベストエフォート型のネットワークであるため,あるセッションから見た通信速度や遅延,パケット棄却などの通信特性が時々刻々と変化する.そのため,例えばテレビ電話や動画像ストリーミングのような遅延や遅延のゆらぎに関するQoS要求が厳しいアプリケーションに対しては,バッファリングや送信レート制御,パケットスケジューリングなどの様々な手法によって,ゆらぎを制御する努力がなされてきた.しかしながら,既存手法では,遅延変動の予測やトラヒック特性の申告などが必要であり,ゆらぎによってそれらの条件に大きな変化が生じるとQoS要求を満たせなくなる.そこで,本稿では,ゆらぎを活用する新しい設計論にもとづくネットワーク制御として,ゆらぎが内在するシステムにおける外力とシステムの応答との関係を表すアトラクタ摂動モデルを用いることにより,ネットワークの負荷変動に対して所望めエンド間遅延を達成,維持する送信レート制御手法を提案する.提案手法により,バックグラウンドトラヒックが変化する環境において,所望のエンド間遅延を達成,維持できることをシミュレーション評価によって示した.
2011-07-14