ナラティヴ・セラピーにおける援助者のポジショニングはブリーフセラピーの発展に何をもたらすのか : 脱中心化共有の観点からの一考察(<特集>外在化)

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概要

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今回,ナラティヴ・セラピーにおける援助者のポジショニングについて,脱中心化共有の観点から事例とともに検討した。事例1は個人療法であり,事例2は禁煙集団療法,事例3は,アウトサイダーウィットネシングであった。事例1と2は,外在化する会話を通した脱中心化共有であり,事例3はアウトサイダー・ウィットネシングのプロセスにおける脱中心化共有であった。いずれの事例でも脱中心化共有を行うセラピストのポジショニングは,クライエントの責任の荷下ろしをうながし,オルタナティヴ・ストーリーの構築に寄与するばかりでなく,問題をめぐる葛藤状況の解消にも貢献する。また,脱中心化共有を促す会話により,クライエントの好むストーリーの構築を助け,倫理性に配慮するというセラピストの姿勢は,ブリーフセラピーにおけるセラピストの姿勢に通じるものであり,双方の領域の発展に貢献するものであると考えられた。
2010-12-31

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