日本語の再帰表現と阻止効果
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概要
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「証拠性」「評価」「受益」など視点(POV) の素性で定義される投射を持つ句構造によって視点に関わる言語現象を説明する。再帰形「自分」は視点投射の中で指定部にある「項」によって局所的な束縛を受けると考える。この指定部の「項」は多くの場合pro であり、上位の節の項によるコントロールを受ける。これが従来「自分」の長距離束縛と考えられているものである。視点投射の指定部pro は主要部によってその性質が決定される。これによって証拠性、評価の投射が関わる「自分」束縛には有意識条件が適用するが受益、ダイクシス投射が関わる束縛にはこの条件が働かない。他方、日本語の阻止効果は有意識条件が適用しない領域で適用する。さらに阻止効果と認識投射、Kuroda (1973a) のいう「(非)報告体」との関連などを議論する。
- 2012-03-21
著者
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