二分脊椎症者の「他者との差異を繕う」行動に至るプロセス
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概要
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本研究は、先天性疾患による身体的な障害がある二分脊椎症の女性が、日常の中で健康管理行動を確立するプロセスを明確にすることを目的にした質的帰納的研究である。対象者は、ウェブ上で二分脊椎症であることを公表している5名と、ホームページ開設者から紹介を得た10名の計15名。年齢は26歳から45歳まで、平均36.3歳である。データは45分から151分(平均71分)の個別面接により得た。分析には、グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた。結果、対象者らは【二分脊椎症であること】により、日常生活の中で【だれとも異なる自己】であることを認識し、【普通の生活への願望】を抱き、【他者との差異を繕う】ことを重視した健康管理行動によって【自尊心の維持】をしていた。以上のことから、二分脊椎症の女性は、病識の欠如期間が長く、不要な身体的苦痛や心理的負担を経験する。したがって、成長発達に応じた個別的な説明が、定期的に提供されること、他者との差異を緩和する方法の提示が必要であることが示唆された。
- 2011-11-20